

2014/10/7
ミシンの匠-5「針の極意-困ったらZ1!」
ミシンの匠であるメンテナンススタッフのつぶやき
私はタジマグループでサービスメンテナンスを担当しておりますスタッフで、タジマ刺しゅうミシンの販売代理店を技術面からサポートする業務を行っております。
日々の業務の中から刺しゅうミシンをお使いのお客様に役立ちそうな情報をご紹介できればと考えております。
5回目はメンテナンスから少し離れて、刺繍ミシン用の針についてお話したいと思います。
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- メンテ中のたじまん
針メーカーさんのホームページを見ると、用途によってたくさんの種類があるのに驚きますが、当社が刺繍用として取り扱う針も20種類以上が存在します。
これに、番手(太さ)や先端形状の違いも含めると実に100種類以上にもなります。
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- オルガン針さんの針
これだけあると、どんな針を使ったら良いのか悩んでしまいそうですが、普通の刺繍であれば DB-K5 Z1 というタジマミシンの標準針をお勧めします。
これは、世界一の針メーカーのオルガン針さんとタジマが共同で開発した刺繍ミシン専用針で、タジマ刺繍ミシンの性能が100%発揮できるように設計されています。
細かい部分は企業秘密なので言えませんが、目飛び、糸切れを極力減らし、かつ高品質の縫いあがりを可能にします。
また、針穴が大きくて糸通しがしやすく、先端が極小なボールポイントのため生地を傷めにくくなっています。 もっと言うと摩耗にも強く耐久性があります。
刺繍ミシンと通常のミシンの圧倒的な違いは、縫いの方向にあります。
通常のミシンは常に同じ方向に生地が送られますが、刺繍ミシンは360度どの方向にも生地が動きます。 ステッチ長も1針づつ変化するので、針には常に違った方向の力が掛ります。
さらに生地も薄物から厚物まで仕事の内容によって毎回変わるためどんな糸や生地がきても安定して縫えないといけません。
この点、DB-K5 Z1 はオールラウンドに使える非常に便利な針なのです。
針の番手(補足1)は9、10、11、12,14まで揃っていますので、生地の厚さや糸の太さにより選択してください。
ちなみに、Z1には強度をさらにアップさせたZ1-NYという種類もありますが、針の幹の部分がやや太いので、生地の穴があまり目立たない場合に限り、針折れの対策としてご使用いただけます。
「困ったらとりあえずZ1」と覚えてください。
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- 針の各部の名称
補足1 : 針には幹の太さを表す「番手」という単位があります。
数字が大きくなると幹の部分が太くなります。