2013/7/30

ミシンの匠-3「注油の極意-その1:釜への注油」

ミシンの匠であるメンテナンススタッフのつぶやき

私はタジマグループでサービスメンテナンスを担当しておりますスタッフで、タジマ刺しゅうミシンの販売代理店を技術面からサポートする業務を行っております。
日々の業務の中から刺しゅうミシンをお使いのお客様に役立ちそうな情報をご紹介できればと考えております。

3回目の今回からはミシンへの注油についてお話させていただきます。

ミシンを語るたじまん
ミシンを語るたじまん

以前に ミシンの匠-1「糸切れに始まり、糸切れに終わる」 にて「針棒に油を差したら糸切れが直った」という話をさせていただきましたが、今回は具体的にミシンへの注油の方法について説明させていただきます。
タジマ刺しゅうミシンは注油するポイントがいくつかありますので、回を追って順に説明させていただきますが、今回は手始めに「釜への注油」です。

釜はミシンの中でも最も注油の頻度が高い部分で、連続で刺繍する場合は5~6時間毎の注油が必要となります。
意外に知られていないのですが、タジマ刺しゅうミシンにはオイルタンク付きの釜が標準装備されています。 これは、釜の内部にオイルタンクと呼ぶ油溜まりがあって、そこからじわじわと油が染み出すことで長時間安定した潤滑を可能にしたスグレ物の釜です。

釜には赤印のついた注油口がありますので、油差しの先端に付属の先細ノズル(補足1)をつけてピンポイント注油します。(写真1参照)
一回に差す量は目薬1滴分くらいで十分です。 タジマユーザー様の中には市販の注射器(補足2)を使っている方もみえます。

写真1:釜への注油
写真1:釜への注油
写真2:レール部分への注油
写真2:レール部分への注油

あとは、釜のレール部分にも直接注油することをお勧めいたしますが、(写真2参照)
レール部分に注油した際には、上糸が注油した油を吸ってしまい、このままでは刺繍の際に製品が汚れてしまいますので、不要な布で1000針くらい刺繍して余分な油を取り除くことをお勧めします。

以前に訪問したタジマユーザー様では、習字の筆の先でチョンチョンとレールに油を塗るようにして注油してみえました。
これは、余分な油で製品を汚さないようにするためですが、注油にも気を使っているユーザー様は刺繍のテクニックも一流でした。

タジマ刺しゅうミシンをサポートする代理店の技術者もこのような知識を豊富に持っておりますので、ご不明な点がございましたら何なりとお問い合わせください。

補足1 : タジマの刺しゅうミシンには油差しが付属しており、これに先細ノズルも付いています。

補足2 : ホームセンターで売られている注射器は先端が太い物が多いので、できれば薬局やネットショップで購入したほうが良い物があります。

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